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【地震保険】 どんな損害に、どれだけ補償されるの?
東日本大震災の被災者に支払われる地震保険の総額は、民間シンクタンクなどの試算によると、1兆円規模と95年の阪神大震災(783億円)を超えて過去最大になる展望だ。
これだけの保険金を保険企業は本当に支払えるのか。
加入者は、どのような損害について、どれだけ補償を受けられるのか。仕組みや補償中身を総合した。
地震保険は、地震や津波、噴火などによって住宅や家財(自動車や30万円以上の貴金属類などを除く)が損壊、焼失した場合に保険金が支払われます。 加入は火災保険とセットが条件です。
日本損害保険協会によると、09年度末の世帯加入率は23%で、阪神大震災後の94年度末(9%)から年々増加しています。
ただ、震災被害は普通の火災や事故に比べ極めて規模が大きいため、保険金支払いについての制約も多いのが現実です。
保険金額は火災保険の契約金額の30〜50%の範囲内で、住宅は5000万円、家財は1000万円が上限。例えば、住宅に2000万円の火災保険をかけた場合、最大1000万円までの地震保険に加入できます。契約者の支払う保険料は、建物の構造や都通り道府県によって異なります。
木造は鉄筋、鉄骨などの約2倍。地震が多いと推定されている東京都や静岡県は、岩手、鹿児島県などの約3倍の水準です。
実際に支払われる保険は、損保各社の決めた統一基準に沿って、被害程度に応じて決まります。 「全損」は契約金銭額の100%、「半損」は50%、「部分的損」は5%。
ただし、住宅の購入額から使用による消耗分を差し引いた「時価」が上限となります。
「地震保険の目的は震災後の生活安定で、被災住宅の建て直しではない」ため、保険金を受け取っても、同じ家を建て直せるとは限らない。
東日本大震災の地震保険の支払い請求は3月25日時点で、既に阪神大震災の6万5000件の倍の水準に達している。
各社の支払い負担も増す予想だが、支払総額1150億円までは全額を民間が負担
▽1150億超〜1兆9250億円は官民で折半
▽1兆9250億円を超えた分は民間が5%、政府が95%を負担する−−仕組み。
政府は、地震再保険特別会計に積み立ててある1兆3000億円を活用して、保険金支払いを支援する。 ただし、1回の地震による保険金の支払総限度額は、最大5.5兆円まで。これを上回った場合、1人当たり受取額が減らされる可能性がある。
家ごと失われる今回の震災被害の大きさを踏まえ保険各社は、保険証券がなくなった人も、免許証などで本人確認できれば支払いを受けられるようにした。
また、契約者が亡くなり、どの保険企業に加入しているか分からないケースも多いため、日本損害保険協会は3月28日、契約先を調査する照会センターを開設しました。