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2010年特別清算、過去2番目の水準…東京商工リサーチ調査

 2010年の企業倒産は2年連続で前年を下回った中で、消滅型の法的倒産である特別清算は過去2番目に多い348件を記録したことが東京商工リサーチが集計した「2010年企業倒産における特別清算動向調査」で明らかになりました。

 2010年に、企業が消滅する特別清算の申請件数は、348件で、前年よりも10件増加しました。これは206年と2007年の358件に次ぐ、過去2番目の高水準となったいます。年次倒産に占める構成比は、前年よりも0.5ポイントアップの2.6%で、最近では2006年の2.7%に次ぐ水準です。

 特別清算が増えた背景には、税制改正で2010年10月1日以後の解散から、清算課税が従来の「残余財産での課税」から「所得課税」へ移行したことなども影響しています。

 特別清算を申請した企業348件の負債合計は4398億6000万円、前年比3.5%増となっています。負債10億円以上の大型倒産は同7.5%減の73件で、負債681億4900万円のJPエクスプレスの大型倒産が負債全体を押し上げています。負債5億円以上10億円未満は49件、同6.5%増と、中堅規模の増加が目立ちます。

 産業別では、10産業のうち、金融・保険業、建設業、不動産業、小売業、運輸業の5産業で前年を上回りました。減少したのは、情報通信業、卸売業の2産業です。サービス業他、製造業、農・林・漁・鉱業は横ばいです。

 特別清算は、破産程度手続が厳格でなく、迅速な清算手続きが可能で、破産と比べ企業整理に重きが置かれ「倒産」のイメージが薄まるメリットがあります。

 親企業が系列子企業の向後の採算性を判断し、再編のなかで清算処理するケースや、事業再生の一環で、企業分割を活用して赤字事業を債務と一緒に旧企業に残し特別清算を申請、黒字事業は新企業として事業継続するケースなどが最近は増加しています。


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