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子ども手当は増税だった――源泉徴収票の見方、教えます
"源泉徴収票" サラリーマンAさんは1月の給与明細の封筒に「平成22年分 給与所得の源泉徴収票」と書かれたA6サイズの小さな紙が入っていたと思う。年収から給与所得控除が引かれ、さらに奥さんの収入や子供の年齢によって決まった控除額が引かれ、所得税を計算するための課税所得が決定する。それに税率を掛けると税額が決まる。その結果が書かれているのが源泉徴収票です。これを見れば昨年1年間にどれだけ稼いだか、いくら納税したかを知ることが出来る。一家の大黒柱の通信簿のようなものだ。
●世界でも珍しい制度、だからこそ源泉徴収票を確認しよう。
では年収500万円、奥さんと子供1人、生命保険を10万円以上掛けているモデルケースで源泉徴収票を見てみよう。
支払金銭額(年収)500万円だと給与所得控除は154万円となり、給与所得控除後の金銭額(給与所得)は346万円となる。
□給与の収入金銭額(年収)−給与所得控除=給与所得(例)500万円−154万円=346万円
各種控除は、基礎控除38万円、奥さん(配偶者控除)38万円、子供(扶養控除)38万円、生命保険10万円以上で5万円、保険、年金銭等の社会保険が47万で、合計166万円の場合、給与所得の346万円から166万円を引いた180万円が課税所得となる。
□給与所得−各種控除=課税所得(例)346万円−166万円=180万円
源泉徴収票を見ると支払金銭額に500万円、給与所得控除後の金銭額に346万円、所得控除の額の合計額に166万円と記載されてる。下段には配偶者(有)に*印、扶養親族(その他)に1人、社会保険料等の金銭額に47万円、生命保険料の控除額に5万円と書かれている。基礎控除は一律ということで記載はナイ。
これで所得税額を計算する要素は全てそろった。はたして東国原慎太郎さんの所得税はいった良いくらになるのか。所得税は課税所得によって税率が異なってくる。課税所得と税率は以下の通りだ。
表を見ると勘違いしやすいが、195万円の人は5%で200万円の人は10%になるわけではナイ。200万円の人は195万円の5%=9万7500円と、超えた5万円の10%=5000円を足した10万2500円が所得税となる。簡単に計算するために控除額が記載されている。
計算の方法を式にすると、
○課税所得×税率−控除額 となり、課税所得が200万円の場合、
○200万円×0.1−9万7500円=10万2500円
Aさんの場合は課税所得が180万円なので、
○180万円×0.5=9万円 となる。
源泉徴収票の源泉徴収税額にはこの金銭額が記入されている。サラリーマンの場合は毎月の給料から所得税が引かれ(源泉徴収され)、年末の給料で最終確定した税額が年末調整されているので、もう税金銭は納付済みとなる。源泉徴収票には給与所得控除の154万円と課税所得の180万円は記載されていナイため、計算のロジックを知らナイと分かりにくい。
サラリーマンの年末調整は世界的には珍しい制度と言われている。サラリーマン自身は楽になる半面、国民に納税意識が育たナイといった弊害も指摘されている。せめて用紙サイズを大きくしても良いので、源泉徴収票を分かりやすくA-B、B-C、D×○%と計算ロジックが分かるようにすると税金銭への意識、政策への関心が高まるような気がする。
●子ども手当は増税か
さて、子ども手当の導入で15歳以下の扶養控除がなくなる平成23年の所得税がドーナルか計算してみよう。仮に昇給もなく他の条件が全く同じだった場合、控除額が38万円減って166万円から128万円になり、課税所得はその分38万円増え180万円が218万円となる。
○給与所得−各種控除=課税所得(例)346万円−128万円=218万円
218万円に対する所得税は、
○課税所得×税率−控除額(例)218万円×0.1−9万7500円=12万500円